桃舟の漢字ハウス第37回

どうぞお入りください。

{息切れしながらはいってくる『』さん}
・・・
お、お、お水を頂け・ま・すか?

はい、どうぞ。
慌てずに、ゆっくり飲んでくださいね。(^^)

{ハァーハァーと荒い息のままコップ一杯のお水を飲みほしました}
・・・
ありがとうございます。 
落ち着きました。(*^^)v  
はじめまして。

はじめましてだワン。
でもどうしてそんなに走ってきたのかワン?

『月』さんから、「すぐに来て~」 っとテレパシーがあったので、急いで来たんですよ。

あ、でも漢字さん達は瞬間移動できるんじゃなかったですか?

』さんは走るのがお好きなのですよね。

特に夕日を背にして走るのが好きなんです。

』さんが見えなくなると話しづらいので、先ほどの続きからお話しいたしましょうか。

それは急がなければだワン。
確か桃舟先生が、どうして『月』さんや『日』さんには真ん中に線のようなものがあるのですか?
の質問だっただワン!

思い出したわ。
ルシェルありがとう。

その質問を頂戴いたしましたので、『』さんにテレパシーを送らせて頂いたのです。

さて私は誰でしょう?
ちなみに生まれは『月』さんと同じ甲骨文字になります。

月さんが二人いるようにしか見えないので、どこかの惑星の衛星でしょうか?
土星でいうと「タイタン」とか!

{ルシェルが少し威張りながら}
桃舟先生、土星の衛星が3300年前に発見されてたと本当に思ってるのかワン?

それもそうだわね。 ^_^;

『月』さんは実は双子だったんじゃないかなぁっとルシェルは思っただワン。

ルシェル、一緒に並んでて似てるからって月は一つしかないと思うわよ。

それもそうだワン!

いろいろと想像を膨らませてくれてありがとうございます。
双子とはまたちょっと違う感じですね。もちろんタイタンでもありませんよ。
実は私は『月』さんと同じで「月の三日月」の形から出来てるんです。
時空間漢字を使って解説したいと思います。
まず最初に『月』さんと私の甲骨文字をご覧ください。

 

<『月』さん甲骨文字>
 

 

<『』さんの甲骨文字>
 

お二人の中には線があるのとないのがありますね。

次に金文と小篆をご覧ください。

 

<『月』さんの金文と小篆>
 

 

<『』さんの金文と小篆>
 

あれれ?もう『』さんの金文には中に線がないだワン。
でも何の漢字さんかわからないだワン!

ヒントは私はある時間帯を表しています。
朝でもなく、昼でもなく・・・。

夜かワン?

いやぁ、ぬかしちゃいましたね^_^;

夕方だワン!!

大正解!!
昔、朝夕の礼と言って、朝には日を迎え、夕には月を迎えるという儀礼があり、夕方のことを月の形で表していたんです。

夕方の『夕』さんだったのですね!
それで「夕」も月の形から出来てるんですね。
納得しました。

でもなんで月さんには線が一本多いのだワン?

それはわたくし『月』からお話いたしましょう。
実は甲骨文字のころには「月」と「夕」には明確な区別がなかったのですが、金文の頃からは実体を持つ「月」には「日」と同じように中に点や線を書くようになったのです。
そうして小篆からは、「月」は「夕」よりも線が一本多くなり、現在に至っているという訳なのでございます。

そうだったんですね。

ルシェルは『月』さんの線はうさぎさんかと思ってただワン!    

ルシェル、私も同じことを考えてたわ。
やっと意見が一致したわね。
でもこれは実体を表す線や点だったのですねー、納得です。

せっかくなので、隷書からの時空間漢字もご覧ください。

 

<隷書>

 

<草書>

 

<行書>

 

<六朝楷書>

 

<楷書>

もうすっかり今の『夕』さんですね。

{ピンポーン}

また誰か来ただワン!

どなたかしら?

もうすっかり夜になってしまったから、今日はここまでだワン!
誰が来てくれたか、みんなも考えてみて欲しいだワン!
ヒントは、、、この中でまで来てない漢字さんは・・・?

桃舟の漢字ハウス第19回での祝賀会の様子

 

『夕』さんのプロフィールは こちら にまとめてあるから見て欲しいだワン!
では、まただワン!

今日も読んで頂きありがとうございました。(੭*ˊᵕˋ)੭ᵗʱᵃᵑᵏᵧₒᵤ❥桃舟