桃舟の漢字ハウス第14回

お待たせしました。本日のゲストはこちらのお二方『』さんと『』さんです。
実は事前情報がまったくなくて、どのようにご紹介したらいいのかわからなくて・・・💦

はじめまして~。実は桃舟さんに僕たちが何の漢字なのかを当てて欲しくて、事前に何もお伝えしてなかったのです!!

そうだったのですね(^_-)-☆
どのように進行していったらいいのか考えちゃいましたよ 💦
あれれ? ところで、『』さんの姿が見えないのですが。

つい先ほど『』さんから遅れます~との連絡があり、桃舟さんによろしくとのことでした。
なので僕からはじめさせてもらいますね。

それは残念ですね。
では、『』さんよろしくお願いします。

では!! 生まれは甲骨文字になりますので、中国の商(殷)時代の生まれです。
ですので、年齢は約3,300歳となります。
あ、時代ですが前回の『身』さんからの手紙にありましたように、「殷」ではなく「商」とよばせてもらいますね。

殷は後の世の人たちが名付けた名前でしたね。
さてどうして、このような形で生まれてきたのですか?

私は正面を向いた人の形で、大きく手足を広げて立っている姿を表しています。
何だと思いますか?

 

<甲骨文字>

 

手足を広げて立っている姿なのですね。
あ、わかりました。
『立【たつ】』でしょうか?

ブ、ブー(*_*;
では、金文や小篆になると、このようになります。
おわかりになりますか?

 

<金文>

 

<小篆>

 

う~、人が正面を向いているのですよね?

そうですよ。
隷書になると、こうなります。

 

<隷書>

 

あ、わかりました~。
『大【だい】』さんですね!!

はい、その通り~。
手足を広げて立つ人を正面から見た形で、「おおきい」という意味になります。
ちなみに、全部見せちゃいますね。

 

<草書>

 

<行書>

 

<楷書>

 

へぇ~、そうなんですね。

桃舟さん『』さんはまだですし、実は紹介したい漢字さんが他にもいるのですが、よろしいでしょうか?

どうぞ(^^♪

外に居るので連れて来ますね!!

 

{『(大)』さんが『』さんを連れて戻ってきました~。}

はじめまして~。
『大』さんの親戚にあたる『』といいます。

はじめまして~。
よろしくお願いします。

僕は兄貴のように慕ってる『大』さんの少し後に生まれた漢字です。
何だと思います?

 

<甲骨文字>

 

『大』さんが、線の上に立ってるように見えるのですが。

でしょう?
では、金文も見てみてください!!

 

<金文>

 

エッフェル塔?

3,300年前にはエッフェル塔はまだ建っていないですよ。
しかも、桃舟さんほとんど答えを言っちゃってますよ!!

えっ "(-""-)"

では、小篆をご覧あれ~!!

 

<小篆>

 

『立(たつ)』でしょうか?

 

<楷書>

 

大当たり~!!
私は『大』さんと「-(横線)」を組み合わせた形なんです。
この場合の「-」は『大』さんが立っている場所や位置を表してるんですよ。
「-」の上に『大』さんが立っている様子が私『立』となります。

『大』さんが立っている形が『立』なんですね。

そうなんです(^^♪
そして、僕を二人並べた形がある漢字になるのですが、何だと思います?

『立立』ですよね?
何でしょう。

桃舟さん、ほとんど正解です。

『立立』?

そうです。
『立立』は、旧字体 では『竝』と書きます。

『竝』ですか?

では、実際に来てもらってもいいですか?

どうぞ(^^♪

『竝』さんが外に居ますので、呼んできま~す!!

 

{『(立)』さんが『』さんを連れて戻ってきました~。}

こんにちは、はじめまして。『竝』と申します。

こんにちは~。

早速ですが、僕の甲骨文字をご覧ください。

 

<甲骨文字1>

 

『大』さんが二人並んでますね。

では、次にもう一つの甲骨文字と金文をご覧ください。

 

<甲骨文字2>

 

<金文>

 

線の上に2人立ってますね~。
ということは、『立』さんが2人並んでるということですね。
金文を見ると2人仲良く手をつないでるみたいで、とても可愛いのですが💛

照れちゃいます~。
次に小篆をご覧ください。

 

<小篆>

 

う~、やっぱり『立』さんが二人ですね~。

では、隷書体を2パターンどうぞ~。

 

<隷書1>

 

<隷書2>

 

あ~、わかりました!!
『並【ならべる】』さんですね!!

そうなんです~。旧字体『竝』をじ~っと見てみてください。
『並』に見えてきますから(^_-)-☆

 

<六朝楷書>

 

本当だ~。
新字体(『並』)は2人の『立』さんがつながってるじゃないですか(^^♪

 

<楷書>

 

その通り~。
後の世の人が簡単にするためにつないじゃったんですよね💦
私は『立』さんが並んでいる形なんです。

それで、「ならぶ、ならべる、ならびに」とかの意味なんですね。

そして、国語(日本語)では「なみ」とよび、人並(ひとなみ)、世間並(せけんなみ)のように、一般の人と同様であることを意味してるんですよ。

うゎ~、勉強になります~(^^♪
『大』さん、『立』さん、『並』さんとつながっているのですね☆

そうなんです。僕たちはみんな親戚なんです~。

覚えやすいでしょ?

とても覚えやすいです!!

何か僕たちに質問したいことがありましたら何でも聞いてくださいね。
3人いますので(*^-^*)

では、お言葉にあまえて!!
『立』さんに似ている漢字で『位【くらい】』さんがいると思うのですが、以前、生徒から「六段位(ろくだんい)合格の「位」って何ですか?」って聞かれて、私自身、どのように答えてよいのか困ってしまいました。

僕がお答えしましょう。 
『位』さんと僕は実は甲骨文字と金文では同じ形だったんです。
当時は『立』という一つの漢字で、「立つ」という動詞と「位(くらい)」を表す名詞の両方の意味を持っていたんです。
ただし、小篆の頃になると動詞を『立』、名詞を『位』と分けて使うようになったんです。
なので桃舟さんの言っていた六段位の「位」は六段の「位(くらい)」にあるということを表していることになるんですよ。

なるほど、わかりやすい説明ありがとうございます。

どういたしまして。
他に何かありましたら遠慮なく。

ありがとうございます、今のところ大丈夫です。
ところで、結局『』さんは現れなかったですね。

実は先ほど、『』さんから今日は行けないとの連絡がありました。
次回は必ず伺いますとの伝言を預かりましたので、また次回よろしくお願いします!!

次回を楽しみにしています。
よろしくお伝えくださいね。
今日は『大』さん、『立』さん、『並』さん、
ありがとうございました。
とても勉強になりました。 !(^^)!

僕たちも出演できて嬉しかったですよ!!{一緒に}
では、さようなら~。

 

ピンポ~ン♪♪

 

!!

桃舟さん、ルシェルちゃん、こんにちは。

あっ、漢字の神様!!

次回の「桃舟の漢字ハウス」には日本の天皇陛下の御即位を祝賀して、漢字の世界からスペシャルゲストを送り出したいと考えておるんじゃが、よいかの~?

もちろんです、漢字の神様、ありがとうございます!
とっても楽しみです!
みなさんもお楽しみに~!

お三方のプロフィールは、こちら( 『大』さん 『立』さん 『並』さん )にまとめてあるから見て欲しいだワン!
では、みなさん、まただワン!

桃舟の漢字ハウス第15回は こちら になります。