桃舟の漢字ハウス第31回

例によって、少し時間を巻き戻すぞ。

『靈』さんの熟語と言えば、先ほどの「言霊(ことだま)」もありますね。

そうそう、「言霊(ことだま)」のことを伝えたかったのよ。

「言霊」は「げんりょう」ではなくて「ことだま」なんですね。

訓読みだから「大和言葉」だワン!

「令和」の出典元にもなった万葉集の中でも2人の人が「言霊」の和歌を詠んでるの。(^^♪

奈良時代にはもうすでに「言霊」という言葉が存在していたのですね。

山上憶良(やまのうえのおくら)は、「好去好来(こうきょこうらい)の歌」の冒頭で、日本は「言霊(ことだま)の幸(さき)はふ国」であると記してるの。 (^_-)-☆
そして、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)は、『磯城島(しきしま)の大和(やまと)の国は言霊(ことだま)の助(たす)くる国ぞま幸(さき)くありこそ』って詠んでるのよ!!

この歌から、日本は言霊によって護られている国であり、「永久(とわ)に平安でありますように」と言う願いが伝わってきますね。

そうなの。
この和歌にもあるように日本では古くから「言葉」には、霊的な力があり、魂が宿るという考え方があったのよ。
だから、「言霊」の「霊」を「魂」にかえて「言魂」と書く場合もあるの。

「魂」の漢字をもってくるのも素敵ですね。

 

 

でしょ。 (*^^)v

そう言えば、私、小さい頃おばあちゃんから、「全ての物には神様が宿っていて、八百万(やおよろず)の神様がいらっしゃるんだよ。だからすべての物に感謝する心を持って生きなさい。」と言われたことを思い出しました。(*^_^*)

まさにおばあちゃんの仰(おっしゃ)る通りね。
「大和言葉」に代表される日本の文化には、すべてのものに「魂」すなわち「命」が宿っているという考えがあるの。

全ての物に命があると思うとみんな愛(いと)おしく思えるだワン!

日本人は自然と調和して生きてきた中で、人や動物だけでなく、植物や地球上のあらゆるもの、また人が発する言葉に対しても魂が宿ると考えたの。
ちなみに、鳥の声や虫の声、川のせせらぎ等の自然の音を識別して、風流に感じることができるのは日本人特有のものなのよ。

知らなかっただワン!

日本人は音をとても大切に扱ってきたのですね。
言葉も音ですしね。

ルシェルは今から童謡の「虫の声」を歌うだワン!
「あれ松虫が鳴いている♪
チンチロ チンチロ チンチロリン♪
あれ 鈴虫も鳴き出した♪
リン リン リン リン リーン リン♪
秋の夜長を鳴きとおす♪
ああ おもしろい 虫の声♪」

歌にまで虫の声が入ってますね!

実は外国人は虫の声を単なる雑音と捉える人が大半なの。
対照的に日本には「虫の音に聴き入る文化」が昔からあるからか、「虫の声」と捉えるのよね。
だから言葉にできちゃうのよ。
他にも自然界の様々な音や、人間の感情なんかも言語化できちゃうのよね。

いわゆる、オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)ですね。

言霊の話に戻るけど、口に出して話す「言葉」には不思議な「力」が存在すると信じてたの。
つまり、声に出した言葉が、現実の事柄に対して、何らかの影響を与えると信じられているのよ。
良い言葉を発すると良いことが起こり、悪い言葉を発すると悪いことが起こると言われてるの。

肝(きも)に銘(めい)じておくだワン!

今から「靈」さんにみんなが日ごろよく使っている大和言葉を例に説明してもらうわ。(*^^)v
「靈」さ~ん!!

「再び呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!」
ここでわたし『靈』からみんなが日ごろ使っておる「おまじない大和言葉」について話すでごじゃるよ。

{ふたたび東風にのって漢字の神様登場}
ここまで読んでくれてありがとう。
今回はここらで一区切りじゃ。
次回『靈』さんからどんな「おまじない大和言葉」が出てくるか楽しみじゃのう。

桃舟の漢字ハウス第32回は こちら になります。