桃舟の漢字ハウス第23回

お待たせしました。本日のゲストは『春【はる】』さんでーす♪

ジャジャーン!
4人そろって四季レンジャー!

{大声で参上}

わぁー!{驚}

ごめんね~!驚かせちゃったみたい。

ちょっと、びっくりしちゃった。(笑)
『春』さんですか?

はい、あたしが『春【はる】』です。(*^_^*)

『春』さん、こんにちは。
お友達も一緒に来ていただいたんですね!

嬉しいです。
まずは自己紹介からお願いできますか?

みなさ~ん、こんにちは。(^^
今日はお招きありがとう!!
あたしの名前は『春【はる】』。生まれは西周時代の金文よ!!
年齢はおよそ2800歳。
私は季節を表す四季の一つである『春』なの。(^^)
つまり、冬の次で、夏の前よ。
みんなはあたしのことを『春【はる】』ちゃんと呼んでくれるの。
よろしくね☆

『春【はる】』ちゃん初めまして。
お会いできて嬉しいです。
四季の一つだなんて、とっても素敵ですね。

ところで『春』ちゃん、生まれた頃と現代の「春」とでは全然見た目が違うんだけどどうしてなんだワン?

あたしも気づいたらこうなってたのよ。
よかったら一緒に時空間を旅してみない?

嬉しいだワン!!

ワクワクだね。(^^)

まずは生まれた時の金文と小篆を見てみて。

 

<金文>

 

<小篆>

 

実はもとの字は、「」 なの。

今の「春」には、お日様の「日」だけが残ってるんですね。

そうなの。今の「春」のようになったのは、隷書の頃からなのよ。
こちらをどうぞ~!!
<隷書>

 

<草書>

 

<行書>

 

<六朝楷書>

 

<楷書>

 

すっかり今の『春』ちゃんだワン!

(^_-)-☆
では、どうしてこの姿で生まれてきたのかを話すね~。
まずは私を分解~~~(^_-)-☆

 

:くさ)と )と

 

ところで、ルシェルちゃん、春のイメージってどういうのがある?

春といえば花粉だワン!!
くしゃみが止まらなくて辛いだワン!
だから、あんまりいい季節じゃないだワン。

ズコー! ^_^;
確かに最近では春=「花粉症」と思う人も多いみたいね。
桃舟さんにとっての春のイメージは何?

春といえば、雪が解(と)けた後の麗(うら)らかな陽気でしょうか?

 

 

それよ~(^_-)-☆
春っていいでしょ!

はい、厳しい寒さが和らいで少しずつ過ごしやすくなってきますよね。

寒い冬の間、草の命は土の中で、ぎゅっと握りしめたようになってるのよ。
でも春になると、お日様が燦燦(さんさん)と輝いて、その日の光を受けて、草が芽をだそうとするの。(^^)
艸(くさ)にはそのような意味が含まれているのよ。

 

 

『春』ちゃんは、古代の人達の豊かな感性の中から生まれてきたんですね。
素敵です~。(^^)

なんだか照れちゃうわね。
ところで、土の中には草の芽だけではなく、虫もいるじゃない。
春になると虫たちも動き出すのよね~。
漢字一文字で表せるんだけど、知ってる?

何かしら、虫に関係している漢字ですよね。
うー、わからないです~。(*_*;

エッヘン、ルシェルは知ってるだワン!!
(しゅん)と書いて「蠢(うごめ)く」と読むだワン!!

ルシェルちゃん、正解よ(^^)

ルシェルすご~い!!
2匹の虫と春の合体漢字なんですね。何か目に浮かんできます(;_;)

ルシェルは虫は苦手だワン!!
好きじゃないだワン!

ルシェル、みんな地球で一緒に生きてるのよ。
私達、人間だけが地球に住んでると思ったら大間違いよ。

ルシェルは犬だワン!!

もぉー、こういう時だけ犬になるんだから。
草も木も魚も虫も花も動物もみんなでここ地球に一緒に住んでるんだからね。
草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」って言葉があってね、草木のような感情のないものでも仏(ほとけ)になれるという意味なの。もちろん虫も含まれているのよ。

知らなかっただワン。

そこには草や木を人間と同じように心あるものとして捉えるところに、日本人独特の感性が表現されているのよ。

{いきなりルシェルが「手のひらを太陽に」を歌いだします}
ぼくらはみんな 生きている 生きているから 歌うんだ♪
ぼくらはみんな 生きている 生きているから かなしいんだ♪
手のひらを太陽に すかしてみれば まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)♪
ミミズだって オケラだって アメンボだって みんな みんな生きているんだ 友だちなんだ~♪

一同

パチパチ👏👏

ルシェルちゃん、歌♪うまいわね~(^^)

ありがとうだワン!

どこで覚えたの?

まえに教室のお友達から教えてもらっただワン!
生き物たちはみんな地球で共に生きてるんだワン!
ルシェルもいろんな人達に可愛がってもらえて嬉しいから、虫たちも可愛がるだワン!

ルシェル、素晴らしいわ~。(^^)

(^_-)-☆

桃舟さん、ルシェルちゃん他に「春」と聞いて何か思い浮かぶものってある?

そうですね~、春と言えば「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこし明りて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。」が思い浮かびました。(^^)

清少納言(せいしょうなごん)♪の「枕草子(まくらのそうし)」ね。(^^)
あたし、大好きなの!
日本語の流れるような音の響きがいいわよね~。
そして何と言っても、日本最古の随筆集(ずいひつしゅう)〔心に浮かんだものを筆に任せて自由に書いた文章〕が、このあたし「春」から始まってるのよ。もう感動以外ないじゃない。(*^^)v

す、すごい!!
本当、考えてみるとすごいことですよね。
実は私も清少納言♪好きなんです。(^^)

桃舟さんは、清少納言のどんなところが好きなの?

平安時代は、断然(だんぜん)男性が権力を持っていた社会じゃないですか。その中で女性初のエッセイスト(随筆家)♪しかも女流作家のパイオニアですよ。☆
カッコよすぎます~(^^)
{ちょっと興奮気味の桃舟先生だワン!byルシェル}

今度、時空間の中で清少納言に会ったら、桃舟さんの思いを伝えとくわね!

嬉しくて、涙が~( ;∀;)

あらあら泣いちゃったのね。
現代語訳はあたしが言うね~☆
春はあけぼの(夜明け)がいいわね。だんだんと白くなっていく山ぎわの空が、ほんのり明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいているところがすごくステキなの(^^)

 

 

{ぽろぽろ}
『春』ちゃん~、美しい情景が浮かんできました~。
{今度は情景が美しすぎてまだ泣いてる桃舟先生だワン!byルシェル}

昔の人はね、自然と近い環境の中で生活してたから、「いろんな物を見分けたり、いろんな音を聞き分けたり、いろんな香りを嗅ぎ分けたり、いろんな食べ物を味わったり、いろんな物に触れたり」☆
つまり五感をフル回転で使っていた人が多かったのよ。
清少納言もその中の一人で、彼女は鋭(するど)い感性と高い知性を兼(か)ね備えた才女だったの。

豊かな感性と文学的才能〔漢文や和歌などの深い教養〕を身につけたスーパーレディだったのですね(^^)

そうなの。
「枕草子」を読んだことがある人ならわかると思うけど、清少納言は「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」これら感覚器官を駆使して感じたまま思いのまま筆を走らせてたと思うの!
だって読んでるこちらまでもが豊かな気持ちになれるんだもん(^^)

あ、それわかります~(^^)
私も学生時代に衝撃を受けたのが五感を使った表現力のところなんです!!
文章を読むだけでその場にいるような感覚を味わうことができたんです。つまり今で言うVR〔バーチャルリアリティー[仮想現実]〕の世界ですよね♪
そして心の琴線(きんせん)に触れるような美しい描写もあれば、宮中でのさまざまな人間模様を面白く書いてるところだったり。
人間関係のところは千年前も今もなんら変わりないんだなぁって思えるところに親近感さえ湧いてきたものです(^^)

そこが清(せい)ちゃんのテクニックよ☆
だって考えてみて、「枕草子」は千年もの月日(つきひ)が経(た)った今でも私たちの心を掴んで離さないのよ。恐るべし「枕草子」よね~(^^)

「清ちゃん」は清少納言の清ちゃんなんですね。(^^)

「春はあけぼの」のところでは、春の風物をあけぼの〔夜明け〕という時間で表しているわよね。平安時代は和歌が盛んだった時代でもあるから、春といえば、「桜」とか「若菜摘み」などの物や行事が歌の題材として挙げられることが多かったんだけど、そこへきて清ちゃんは時間を持ってきたのよね。
斬新(ざんしん)でしょ!
そして太陽が昇る直前の光から、色のグラデーションを絵画的に描写しているところは本当見事よね。

素晴らしすぎます!
平安時代のスーパースターに会いたいな~(^^)

思いは時空間を超えて届くものよ。
清(せい)ちゃんもきっと喜んでると思うわ(*^^)v

嬉しいです♡
「枕草子」はこの先の未来でもずっと多くの方に読まれて行くんでしょうね!

想像力を掻(か)き立てる文章は、まさに豊かな感性の中から生まれてくる芸術なのよね。
そのような芸術作品は色褪(あ)せることはないのよ☆
だから「枕草子」のような名作を色んな情景や感情をイメージしながら読んでみるといいわ(^^)ますます「感じて♪感じ取る力☆」が生まれてくるから。

千年も前の文学に思いを馳せながらの読書ってステキです
文学を通しても豊かな心が育っていくのですね。(^^)

Don’t think. feel !
考えるな、感じろ!
{映画「燃えよドラゴン」の中のブルース・リーの真似}

ルシェル、カッコイイ~!!

ルシェルちゃん、いいこと言うわね!
五感を研ぎ澄まして、豊かな感性の中で人生を送れたら、きっと素敵な未来が待ってるわよ。☆彡

桃舟先生、『春』ちゃん、そろそろ残り時間が少なくなってきただワン!

あら、もうそんなに時間たったかしら?
ルシェル歌ってたもんね!

桃舟先生と『春』ちゃんこそ、清ちゃんで盛り上がってただワン!
ルシェルは読んだことがなかったので話についていけなかったけど、聞いてて今度読んでみたいと思ったし、何だか楽しかっただワン!

読んだことなかったのね。百人一首は得意なのに!(笑)
本当楽しかったね~(^^)
『春』ちゃん、いや、四季レンジャーのみなさん、次回も来ていただけますか?

もちろん!
4人そろって四季レンジャーですから!

では、次回またよろしくお願いします。
ルシェル、帰ろうか!

『春』ちゃんのプロフィールは、こちらにまとめてあるので、見てほしいだワン!

桃舟の漢字ハウス第24回は こちら になります。