桃舟の漢字ハウス第16回

ルシェル、お迎えに行ってきてくれる?

行ってくるだワン!!

 

{ルシェルがキラキラ光る『』さんと戻ってきました}

 

桃舟先生、『』さんをお連れしただワン!!
それにしても眩(まぶ)しいだワン☀

ルシェル、お迎えありがとう。

ルシェルちゃん、サンキュ~ (^^♪
君はプリティドッグだね~♡

照れるだワン (〃▽〃)ポッ

桃舟さん、はじめまして。
私は『皇【こう】』です。
この度、漢字の神様よりスペシャルゲストとして遣(つか)わされました (*^^)v
イェーイ✌

はじめまして、桃舟です。
お会いできてとても嬉しく思います。
それにしても、とても明るいですね (*^_^*)
第8回ゲストの『楽【たのしい】』さんを思い出しちゃいました (*^^)v

『皇【こう】』さんこんにちは。
相変わらず輝いてますね。

この輝きは自分ではどうにもならないんだよね~。
寝ても覚めても明るいので、こうなったら『楽【たのしい】』さんを見習って明るく、楽しくをモットーにしていこうって思ったのさ。

その考えってとってもいいと思いますよ。
『皇』さんには、ピッタリですね。
ところで、ちょうど私のお話が終わったところですので、『皇【こう】』さん自己紹介をお願いします。

グッドタイミングだったんですね(^^♪
ところで、ルシェルちゃんどうして下を向いてるの?

だって、眩しいだワン (*_*;

ルシェル、これをしてごらん。

・・・

眩しくないだワン!

ルシェルちゃん、似合ってるね~。
本当、キュートだよ(^_-)-☆

サンキューだワン!!

スミマセン (*_*;
それでは自己紹介をお願いします。

ラジャー!
私『皇は【こう】』は西周(せいしゅう)時代〔紀元前(きげんぜん)1,100年頃~紀元前771年〕の青銅器(せいどうき)に鋳込(いこ)まれた金文として生まれてきたんだ。
だから、年齢は約2,800歳ってとこかな。

周時代のお生まれなのですね。
ところで、なぜこのような形になって生まれてきたのですか?

まずは金文を見てくれるかな。

 

<金文>

 

「皇」の下の部分は何だと思う?

「土」に見えるのですが。

違うんだなー。
次は小篆をお見せするとしよう!

 

<小篆>

 

ひょっとして「王」ですか?

オーサム(すばらしい)!
「王」は王様の象徴として用いる大きな鉞(まさかり)の頭部の形になるんだ。
そしてその鋭い刃を下にして置いている形が「王」なんだよ。

 

<隷書>

 

<行書>

 

<草書>

 

<六朝楷書>

 

<楷書>

 

「王」の成り立ちのお話は第11回の『男』さん、『父』さん、『子』ちゃんの回で聞きました。
鉞が王の象徴ということに、時代を感じたのを鮮明に覚えています。
ところで、王の上にあるキラキラ✨光るものは何ですか?
とても眩しいのですが!

そう、それが眩しさの原因なんだワン!

これは「玉(ぎょく)」だよ!
中国では美しい石を総称して「玉(ぎょく)」とよんでるんだ。

「たま」ではないのですね。

そして、最も素晴らしい「玉(ぎょく)」とされているものが、この翡翠(ひすい)なんだ。
美しい翡翠は暗闇の中でも神々(こうごう)しい光を放つんだよ!

『皇』さんの「玉」は翡翠なのですね。
すごく素敵です~。

鉞の柄(え)を装着する部分に玉を飾ると、その玉の光が上に放射し、そこから『皇【こう】』の漢字が誕生したのさ。

その光輝く様子から『皇【こう】』は「かがやく」の意味となったわけですね。

イエス。
また輝く鉞の頭部は王位の象徴であることから、『皇【こう】』は「王・君主・天子」の意味に用いられるようになったんだ。
そして、およそ2,200年前、中国本土を初めて統一した秦王(しんおう)である政(せい)は、「王」ではなく「皇帝」という称号をつくり、自らを始皇帝と名乗ったんだ。
「始」は「最初(一番目)」の意味になるんだけど、始皇帝以後二千年余りの間、中国では「皇帝」の称号が使われることになるんだ。

「皇帝」の語源は「三皇五帝」からだと聞いたことがあります。
始皇帝は「三皇五帝」とよばれた古代中国の伝説の8人の帝王たちよりも尊い存在であることを示すために、「皇帝」という言葉を作ったと言われてるんですよね?

桃舟さん、よく知ってるねー。

始皇帝といえば、第3回に出演頂いた『包【つつむ】』さんが観に行った映画「キングダム」に出てましたよね。

実は僕も『包』さんに勧められて観に行ったんだよね~。
「キングダム」よかったよ~ (^_-)-☆

えっ!! 
映画館は真っ暗なのに、どうやって観ていたのですか?

きっと周りの人は眩しかっただワン。

"(-""-)"ま、それはご想像に任せるよ。
ところで、桃舟さんは星はお好きかな?

はい、大好きです。
冬になるとオリオン座を真っ先に探しますね☆

あ、因(ちな)みにオリオン座は夏でも朝方見ることができるんだよ。

そうなんですか!?
冬だけだと思ってました"(-""-)"

古代中国の人達もよく星を見ていたんだ。
桃舟さん、星空の中心はどこだと思う?

小学校の理科で習った記憶があります...
確か、、、北極星(ほっきょくせい)?

そう、その通り。
古代中国の人も星空の中心である北極星のことを北辰(ほくしん)として神格化(しんかくか)して信仰(しんこう)の対象にしていたんだ。
そして、その北極星のことを「天皇大帝(てんおうだいてい)」とよぶようになり、日本における「天皇(てんのう)」という称号の起源の有力な候補の一つと考えられている訳さ。

それは知らなかったです。
勉強になります。

『皇』さん、きれいに締めくくってくれてありがとう。
ところで桃舟さんは、日本の天皇陛下の「即位礼正殿の儀」はご覧になられましたか?

はい、テレビで観てました。
厳(おごそ)かな雰囲気の中、とても神秘的な感じがしました。
天皇陛下のお言葉にもとても感動を覚えました。

僕たちも無事に即位の礼が終わってホッとしたんですよ。
なんてったって、『天』と『皇』ですからね。

そういえば、儀式の直前に雨が上がり、晴れ間が見えたかと思うと見事な虹が出ましたよね。
ひょっとして『天』さんのはからいですか?

それはご想像にお任せしますよ。!(^^)!
では、そろそろ次回のゲストを紹介したいと思います。
漢字の神様から言伝(ことづて)で、次回のゲストはこの方です。

さぁ、誰だかわかりますか?

『天』さんと『皇』さんの後のスペシャルな方と言えばやっぱり、、、あの方でしょうか?
『天』さんと『皇』さん、今日は本当にありがとうございました。
漢字の神様にもよろしくお伝えくださいね。

では、これにて失礼します。

グッバイ、エブリワン!

『皇』さんのプロフィールは、こちらにまとめてあるだワン!

 

最後に『皇』さんについて補足しておきたいことがあるだワン。
桃舟先生が『皇』さんには「かがやく」という意味があると言ってたけど、現代の『皇』さんには、「かがや(く)」という読み方はないのね。
「皇」には、元々は「かがやく」という意味があったんだけど、王・君主・天子・皇帝などを指す言葉として使うようになったため、代わりに「」という字が作られ、「かがやく」という意味を持たせることになったのだワン!
あともう一つ、皆さんに補足しておきたいことがあるワン。
それは「天皇」を「てんのう」と読んでいるけど、「皇」には「こう」や「おう」といった音読みはあるけど、「のう」という音読みはないのね。
このような読み方のことを「連声(れんじょう)」といって、2つの漢字が続く場合に、後ろの漢字の音が変化することがあるだワン。
例えば、以下のような連声があるんだワン。
「天皇」 てん + おう → てんのう
「観音」 かん + おん → かんのん
「輪廻」 りん + え → りんね
「因縁」 いん + えん → いんねん
「銀杏」 ぎん + あん → ぎんなん
など、他にもたくさんあるだワン。

 

では、みなさん、また次回だワン!

 

桃舟の漢字ハウス第17回は こちら だワン!