桃舟の漢字ハウス第5回

それでは、『人』さんからのお手紙を読むだワン!

みなさんこんにちは!!
甲骨文字の『』です。
この度は、「桃舟の漢字ハウス」をお読みいただき、誠にありがとうございます。
わたくし『』は第1回目のゲストだったのですが、覚えていらっしゃいますでしょうか?

 

さて、我々甲骨文字が地下からお日様の当たる地上へ出ることが出来たのは近年になってからなんですよ。それまでは暗~い土の中に居たんです。
なんで~って思っていらっしゃる方いますよね?
では、ここで甲骨文字のお話を少ししたいと思います。

 

およそ3,300年前に生まれた甲骨文字は神様と王様との交信、つまり占いの為にこの世に生まれてきました。
甲骨文字の甲骨とは亀の甲羅(こうら)や獣(けもの:牛など)の肩甲骨(けんこうこつ)を指しており、事前に記した占いたいことや占いの結果が甲骨文字として刻み付けられています。
占う内容は、祭祀(さいし)、軍事(ぐんじ)、収穫(しゅうかく)、狩猟(しゅりょう)、天候(てんこう)、災厄(さいやく)...などで、骨を熱することで、ひび割れを生じさせ、そのひび割れ具合によって、吉か凶のいずれかを判断していました。
具体的には、一定期間内に凶事(きょうじ:悪いこと)がおきるかどうか、今年の穀物(こくもつ)の収穫はどうか、狩りがうまくいくか、など様々なことを占っていました。

 

占いが終わると、とても丁寧に亀の甲羅や獣の肩甲骨を重ねて、そしてその上に犠牲(ぎせい)もささげて土の中に埋められました。
埋められた後は表に出ることはありませんでした・・・。
なぜなら、甲骨文字は王とわずかな者しか目にふれることができない神聖な文字ということだったからです。

 

そして、およそ3,200年くらい経った、1899年(清朝末期)の中国河南省安陽市で、当時の清の国子監祭酒(こくしかんさいしゅ:最高学府の長)であった 王懿栄(おういえい) が竜骨と呼ばれていた骨に刻まれた文字を発見したことが最初と言われています。
もっと以前から農民により発掘されていたようなのですが、本当の価値や意味に気付かなかったのですね。
その後、多くの人によって研究されてきたのですが、日本の漢字博士である白川静先生によってたくさんの甲骨文字が解明されました。
白川先生は我々の生い立ちを見事なまでの情熱をもって研究、探求してくださり、数多くの漢字達を素晴らしいお言葉で表現してくださったのです。
本当に感謝の言葉しかございません。

 

そして今は白川文字学を学んだ書家である桃舟さんとのご縁をいただき、今回の企画が実現する運びとなりました。
これからも、いろんな漢字達が漢字ハウスを訪れ、桃舟さんと対談していきますので、今後の「桃舟の漢字ハウス」をどうぞよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、みなさまのご発展を願いまして、本日はこの辺でお別れしたいと思います。また機会があればお便りさせていただきます。

 

「桃舟の漢字ハウス」をご覧のみなさまへ
甲骨文字代表 『』 より!!

ルシェル、お手紙読んでくれてありがとう!
『人』さん、お手紙ありがとうございました。
みなさん、次回は第4回ゲストの『北』さんに紹介して頂いたさんとさんをお招きいたしますので、どうぞお楽しみに!!

 

桃舟の漢字ハウス第6回は こちらになります。