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本日のゲストは『人【ひと】』さんです!👏👏👏 では、『人』さん、簡単に自己紹介をお願いします!
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はじめまして! わたくし、『人【ひと】』と申します。 中国の殷(いん)時代〔紀元前(きげんぜん)1300年頃〕に生まれて、今年で約3,300歳になるんです。
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そうなんですか~! ということは、『人』さんの起源は甲骨文字(こうこつもじ)になるのですか?
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はい。19世紀末に現在の中国の河南省(かなんしょう)安陽市(あんようし)という場所で発見されました。 安陽市にある殷墟(いんきょ)は世界遺産(せかいいさん)にもなってるんですよ~! もしよければ、ぜひ一度遊びに来てくださいね!
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世界遺産ですか~。ぜひ一度行ってみたいですね。 ところで、どうしてこのような形で生まれてきたのですか? 現在の『人』という漢字とは違いますよね。 楷書(かいしょ)
行書(ぎょうしょ)
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私の形をよ~く見てみてください。 よ~く見ると、ヒトを横から見た形に見えませんか? ↓↓ こんな感じ。
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言われてみれば、確かにそうですね!
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ヒトを横から見た形を文字にしたのが私です! まぁ、思いっきり猫背ですけどね。(笑)
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あはは、確かに。 他にも何か特徴はありますか?
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二筆〔2画〕で書けるところですかね~。
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二筆で書けると何かいいことがあるのですか?
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同じ古代文字のエジプトのヒエログリフで『人』を書くときは、からだ全体〔頭、胴体(どうたい)、手足〕の輪郭(りんかく)で書くんです。
↑↑ この絵のように書くんですけど、こういう複雑な形の文字は文字同士を組み合わせることが難しいため、結局使われなくなり、アルファベットのような表音文字(ひょうおんもじ)が使われるようになったんです。でも、漢字はからだ全体の輪郭を書くのではなく、一画目が頭と手を、二画目が胴体と足を表します。単純な線で構成されることで、他の文字と組み合わせやすくなり、いろんな漢字が生まれていったわけなんです。 だから、この二筆で書けることが、その後の漢字の発展に繋(つな)がっていったと言えるんです!
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そうなんですね。確かに『人』っていう漢字は誰でもすぐに書けるし、他の文字とも相性が良さそうですよね。
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はい。簡単だからこそ、私『人』からたくさんの漢字が生まれています。そして、実は私、もう一つ「あるもの」の発展に大きく貢献しているんです。 何だと思いますか?桃舟さんにものすご~く関係しているものですよ!
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・・・。ひょっとして、「書」ですか??
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ピンポーン! ヒエログリフのような複雑な形ではなく、シンプルな線の組み合わせで文字に意味を持たせることができ、「書」という文化が生まれ、ここまで発展してきたのだと思います。
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なるほど~。「書」があるのは、『人』さんのお陰なんですね。感謝です!!
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そういわれると、なんだか照れちゃいますね。
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ところで、『人』さんには特技などはあるのですか?
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そうですねぇ~。左を向いたり、右を向いたりすることができることかな~? 甲骨文字(左向き)
甲骨文字(右向き)
でも、正面を向くと違う漢字になってしまうので、それはまた別の機会に紹介しますね!
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左右どちらも向けるってすごいですね~!
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ありがとうございます。でも、右を向いてるのは生まれた頃の甲骨文字で、金文(きんぶん)から後の時代の文字(書体)では左向きなんです。 金文
そして、その後の小篆(しょうてん)ではこんな形に変わっていったんです。 小篆
隷書(れいしょ)からは、先ほどの『人』に近い形になってるんです。 隷書
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みなさん、ここでルシェルが書道における5つの書体について説明するのだワン! 「書」にとって、漢字はなくてはならないもの。 書き手が表現者であれば、漢字は表現されるもの。 その表現される漢字には、その時代ごとに生きてきた人達の思いや、その時々の歴史、文化や風潮等が取り入れられているの。 そして、約3,300年もの時間を超えて、現在使われている漢字の形へと変身してきたのね。 これらの漢字達は大きく5つの形(書体)に分類されるんだ。 第1回目のゲストである『人』さんを例に表にまとめたから、みんなに見てほしいのだワン! 先ほど『人』さんに紹介してもらった、「甲骨文字」「金文」「小篆」は、みんな篆書に分類されるの。
篆書 |
隷書 |
草書 |
行書 |
楷書 |
甲骨文字 |
金文 |
小篆 |
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ルシェルありがとう! 隷書から今の私達の馴染みのある文字の形に変わっていったのですね。 まさに時空間を超えて『人』という漢字が生き続けてきた証(あかし)だと思います。
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そうなんです。私もいろんな姿に変身できてとても楽しいです(^^♪
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私の中での『人』という漢字の成り立ちは、金八先生の「人という字は人と人とが支え合って・・・」というドラマの名セリフ通り、二人の人から出来てるものだとずっと思っていました。 ところが、本来の『人』さんの生い立ちは一人で立っている姿からだと知って、時代や人の解釈によっていろいろなとらえ方があるのだなぁと、とても感慨深くなりました。 では、最後になりますが、『人』さん、お友達の紹介をお願いします! 『人』さんから生まれてきた漢字さん達の姿も見てみたいです~。
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それでは、次のゲストには・・・ さんを紹介したいと思います!
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おぉ~!これは現代のどんな漢字を表しているのですか? 少しヒントをください!
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はい、この字は桃舟の漢字ハウスを読んでいらっしゃるすべての方、全人類が必ず通る道を表しているんです。
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えっ、さんの姿は全人類70億人が通る道ということですね!? いったいどなたなんでしょう? とても楽しみです! みなさんも次のゲストが誰かぜひ考えてみてくださいね。 正解は次回の「桃舟の漢字ハウス」で紹介します! みなさん、お楽しみに~!
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『人』さん、ありがとうございました~! 『人』さんのプロフィールは こちら にまとめてあるから、見て欲しいのだワン!
桃舟の漢字ハウス第2回は こちら だワン!
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